明けましておめでとうございます。本年も良い年となりますようご祈念申し上げます。

昨年の総選挙の結果、与党は300を超える議席を獲得することとなりました。総選挙後、国会での議論は盛り上がらず、森友、加計学園問題  追及に終始するかたちで閉会しました。国内外に山積する課題を抱える時代であるからこそ、痛みに向き合う 勇気と未来を見通す英知が大切であると思います。わが党は、今こそピンチをチャンスに変えるため、立党の精神を忘れる ことなく、維新スピリッツを政策として打ち出し、ぶれずに訴えていく必要があります。

身を切る改革
教育無償化について政府案が固まりました。わが党は、所得格差によって教育の機会均等を逸することがあってはならないと、憲法改正による無償化を提言しています。政府は、2019年の消費税増税による約5兆円の税収増加分の一部を教育無償化に充て、財政健全化目標を2020年以降に先送りすることを決めました。
人づくりへの投資は良いことです。しかし国民へのご負担をお願いする前の「身を切る改革」の努力のあとが見られない中での増税には反対です。
わが党は、国会の会期毎に、身を切る改革関連の議員立法を提出し、国会議員の定数や給与の削減を訴えてまいりました。他党から賛同する動きがないため、わが党所属の国会議員は、毎月の歳費から2割に当たる18万円を拠出し、その一部を見舞金に充て、地震や豪雨災害で被災した自治体の支援を行なってまいりました。

わが国の社会保障給付費は高齢化等に伴い年々増加し、年間120兆円、国民所得の約3割といった水準にまで達しています。将来世代へ負担の先送りはやめ、国民負担を抑制し、社会保障制度を持続可能なものとするため、食生活の改善、運動習慣の定着を重点に置き、医療費を抑制する施策の推進が重要だと思っております。

食生活の改善-減塩対策
英国食品基準庁では2003年から減塩のための国民的運動を実施して、2011年までに食塩摂取量が15%減少したと聞いています。その結果、英国国民健康サービスNHSによると、毎年288百万ポンド(約430億円)の医療費削につながっていると報告があります。
食塩の過剰な摂取は、高血圧症、脳血管疾患などの疾病リスクを高めるというデータがあります。わが国は、欧米に比べ1日当たりの食塩摂取量が高い傾向にあること から、減塩に向けた取組は極めて重要です。
厚生労働省は、「健康日本21」において、1日当たりの食塩摂取量を、 2022年までに2010年の10.6gから8gまで低減、食品中の食塩低減に取り組む食品企業数を2012年度14社から100社とする目標を掲げ、企業との協働を主体とする健康づくりの取組を推進しています。
こうした取組を通じ、1日当たりの食塩摂取量は徐々に減少する傾向にあると期待していますが、着実な目標の達成のため、「減塩対策基本法(仮称)」法制化の意義を感じ、その立法化を目指していこうと思います。

運動習慣の定着
筑波大学の久野教授は、平均年齢70歳の高齢者のうち、運動する人と運動しない人とでは、医療費が年間で10万円も違ってくること、健康長寿が医療費削減につながることをスポーツ医学面で立証されました。
国民医療費は年々増加し40兆円を超え、全ての団塊の世代が75歳  以上となる2025年には、約62兆円まで医療費の増加が見込まれます。およそ800~1,000万人と言われる団塊世代において、運動習慣が定着し、医療費削減に貢献できるならば、単純に約8,000億円~1兆円もの 医療費削減につながる計算が成り立ちます。
日常生活でエレベーターを使わず階段で昇り降りする簡単な運動を始めました。国会の議員会館の11階にある事務所まで、健康保持のために、毎日2、3回、階段を昇り降りしている動画を、Facebookで公開中です。
健康長寿でいることが医療費削減につながると、階段の昇り降りによるエクササイズを通じ、広く団塊世代に対する意識づけを図ってまいりたいと思います。

今年こそ、与野党が腰を据え、しっかりと議論を交わすべきであります。
党の公約を法案化し、他党からのご賛同をいただくべく、ねばり強く協力を仰ぎ、わが党の主張を政策に反映させていきたいと思います。政府に対しては、反対のための反対ではなく、是々非々の立場で、引き続き国会での論戦に臨んでまいります。
どうぞ本年も変わらぬご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

平成30年 元旦

日本維新の会参議院幹事長
参議院議員 室井邦彦